大人の恋は波乱だらけ！？

「ふふっ」

「何笑ってんだよ」

「別に何でもないです！さっ！ご飯食べましょう！」


『冷めちゃいますから』と言葉を添えて昴さんに笑顔を向ける。
昴さんは小さく笑うと箸を持ちハンバーグを口へと運んだ。
食べ方が綺麗で少し見惚れてしまったが、ハッとした様に口を開く。


「昴さんは何で小説を書き始めたんですか？」

「……無理して話さなくていい。大体……興味ねぇだろう？」


タメ息交じりに言う昴さんに慌てて首を横に振る。
確かに何か話さないと、とは思ったけど……。
昴さんが何故小説を書くようになったのかは凄く気になる。


「興味あります！
教えてくれませんか……？」


周りに小説を書いている人なんていなかったからこうやって話を聞けるだけで嬉しいんだ。
ワクワクする気持ちを抑えながらも前のめりになる私は本当に小説が好きなんだと実感する。


「……小説好きなのか？」

「え？」

「……すげぇ顔が輝いてる」


顔に出てた？恥ずかしくなり昴さんから目を逸らすも顔に集まった熱は中々冷める事はなかった。
真っ赤な顔をしているに違いない。
鏡を見ていないのに容易に想像が出来るくらい顔が熱くなっていた。


「もう何だよお前……」

「昴さん？」


低い声を出す昴さんにピクリと体が揺れた。
また怒らせてしまったのだろうか？
そう思い彼に目を向ければ、柔らかい笑みを浮かべる昴さんがいた。


「分かりやすすぎだろ！」


無邪気に笑う昴さん。
なぜ笑われているのかは分からないけど彼が笑うと凄く嬉しくなる。