「俺、飲んでないから」
「え……?」
『飲んでない』その言葉に思わず声を漏らしてしまう。
お酒が飲めない人も中にはいるが、高梨部長はお酒好きで有名だったはずだ。
でも、誰も酔ったところを見た事がないとか……。
そんな酒豪な彼が何故、飲んでいないのだろうか?
そもそも……。
「居酒屋だって、バーだって……お酒を頼んでましたよね?」
注文をする際、高梨部長は確かにお酒を頼んでいたはずだ。
店員さんだって彼の元へとお酒を運んでいた。
それなのに……。
私の疑問を取り除く様に高梨部長は説明してくれる。
「酒は頼んだよ、俺が飲まないと皆遠慮してしまうからね。
でも今日は飲む訳にもいかなかったんだ、用事があってね。
だから、注文した後にコッソリお店の人に頼んだんだ。
『俺の注文したものにアルコールを入れないでくれと』ね」
ニコリと笑う高梨部長。
社員たちに気を遣う優しい彼の想いが伝わってきて胸が温かくなる。
「すみません、それを知らずに飲んでしまって……」
「ばーか。
何でお前が謝るんだよ!」
本当にいい人だな……。
笑みを浮かべながら高梨部長を見てハッとした様に口を開く。
「用事があるんですよね?
早く行った方が……」
開きかけた口が動かなくなる。
それは高梨部長のせいだ。
「……そうだね、じゃあ行こうか」
高梨部長は優しく笑うと私の手を軽く引っ張った。
「え……?」
『飲んでない』その言葉に思わず声を漏らしてしまう。
お酒が飲めない人も中にはいるが、高梨部長はお酒好きで有名だったはずだ。
でも、誰も酔ったところを見た事がないとか……。
そんな酒豪な彼が何故、飲んでいないのだろうか?
そもそも……。
「居酒屋だって、バーだって……お酒を頼んでましたよね?」
注文をする際、高梨部長は確かにお酒を頼んでいたはずだ。
店員さんだって彼の元へとお酒を運んでいた。
それなのに……。
私の疑問を取り除く様に高梨部長は説明してくれる。
「酒は頼んだよ、俺が飲まないと皆遠慮してしまうからね。
でも今日は飲む訳にもいかなかったんだ、用事があってね。
だから、注文した後にコッソリお店の人に頼んだんだ。
『俺の注文したものにアルコールを入れないでくれと』ね」
ニコリと笑う高梨部長。
社員たちに気を遣う優しい彼の想いが伝わってきて胸が温かくなる。
「すみません、それを知らずに飲んでしまって……」
「ばーか。
何でお前が謝るんだよ!」
本当にいい人だな……。
笑みを浮かべながら高梨部長を見てハッとした様に口を開く。
「用事があるんですよね?
早く行った方が……」
開きかけた口が動かなくなる。
それは高梨部長のせいだ。
「……そうだね、じゃあ行こうか」
高梨部長は優しく笑うと私の手を軽く引っ張った。

