大人の恋は波乱だらけ!?

「ん?」


今どさくさに紛れてトンデモナイ事を言われた気がしたのだが……。
気のせいか、そう思おうとしたがマダムの言葉が私を現実に引き戻す。


「あら!新條さん彼女いたのね~。
それは良かったわ!可愛い子ね~」

「ええ、僕には勿体ない彼女です」


当たり前の様に交わされる会話に言葉すら出なかった。
彼女って……。
私は新條さんとそんな素敵な関係になった覚えはない。
身の回りの世話をしろと言われているから、どちらかといえば家政婦なんじゃあ……。
黙り込む私にマダム達は笑顔を向けてきた。


「お名前は?」

「……さ……桜木葉月と申します。
よろしくお願いします」


ペコリと頭を下げれば何故かマダム達は悲鳴を上げていた。
何か失礼をしただろうか、焦って顔を上げれば急に手を掴まれる。


「最近の子は禄に挨拶も出来ない子が多いのよ!
でも葉月ちゃんはしっかりとしているわね~新條さんの彼女にふさわしいわ!」

「あ……ありがとうございます」


子供のように無邪気にはしゃぐマダム達は悪い人ではないと言う事が分かる。
でも、あまりに近い距離の為、少し戸惑ってしまう。
そんな私を助ける様に誰かの手が私の肩へと触れた。
振り向けば爽やかスマイルを浮かべる新條さんが目に映る。


「何恥ずかしがってるの?……可愛いな葉月は」


よしよしと、いかにも仲良しカップルみたいに頭を撫でる新條さん。
それに、今名前で呼ばれた……。
驚きより恥ずかしさが勝ち顔は一気に熱を帯びていく。


「本当に仲良しね~。
見ていて微笑ましいわ~」

「ありがとうございます。
じゃあ僕たちはこれで……ほら乗って葉月」


新條さんは助手席の扉を開けると私を中へと促す。


「あ……はい。……失礼します」


マダム達に頭を下げて新條さんの車に乗る。
新條さんはというと、マダム達とひと言ふた言交わして車へと乗り込んでくる。