大人の恋は波乱だらけ！？

「一緒に住みます。
だから……協力してください！」


勢いよく頭を下げながら強く言い放つ。
私の覚悟はもう決まっていた。

そんな中、新條さんがこっちを振り向いたのが気配で分かった。
気にせず頭を下げ続けながら彼の言葉を待つ。

でもいくら待っても彼は何も話そうとはしなかった。

まさか私は騙されたのだろうか？
いくら彼に常識がないと言っても、好きでもない女と暮らすほどズレてはいないだろう。
私をからかったに違いない、そう思い顔を上げれば今にも笑い出しそうな顔をしていた。
やっぱり、そのひと言を呑み込み彼を睨みつける。

だが新條さんはお構いなしに笑い出した。

それに耐えきれずに私は彼に背を向ける。

もう帰ろう。
いつまでもココにいたってゲームが出来る訳じゃない、時間の無駄だ。
早く家に帰ってシナリオを考えなければ。
その一心で寝室の扉に手をかける。


「どこ行くんだよ」


低い声が聞こえてきたと思ったら、急に私の横から手が伸びてきた。
そして開きかけていた扉を無理やり閉める。
驚きながら後ろを向けば不思議そうな顔をした新條さんが目に映った。
何でそんな顔をしてるのよ、意味が分からないまま口を開く。



「帰るんです！」

「馬鹿か。
お前の帰る所はココだろ？」


新條さんの言葉に目を丸めてしまう。


「……あの……どういう意味……？」

「自分が言ったんだろ？一緒に住むって」

「か……からかったんじゃ……」

「何で俺がお前をからかわなきゃいけないんだよ」

「だって……笑ってたじゃないですか！」


意味が分からないといった顔で私を見る新條さん。
でも直ぐに『ああ』と不敵な笑みを零した。