「桜木様でしょうか」
“様”を付けられる覚えはないがそれは間違えなく私の名前だった。
『はい』と弱々しく答えれば満面な笑みを返される。
そして、私を促す様にマンションの中へと入れてくれた。
どうやらこの人はマンションのフロントの責任者の人らしい。
新條さんに私を案内するように頼まれていたそうだ。
私にとっては救世主だ。
ジーンと感動をしていれば男の人、神木(かみき)さんはクスリと笑みを零した。
「桜木様は面白い方ですね」
「え?」
「マンションの玄関であんなに真っ青な顔をされる方は初めてでしたので」
「み……見てたんですか!?」
見てたならもっと早く助けてくれても良かったのに……。
助けて貰ったからあまり強くは言えないけど、心の中で文句を言っていれば神木さんは『すみません』と笑いながら言う。
柔らかい雰囲気で憎めない感じの人だ。
「可愛らしくてつい見入ってしまって……」
「か……可愛いって……」
「純粋な方なんですね。
お顔が紅く染まっていますよ」
面白そうにクスクスと笑う神木さんを見ると心が安らいでいく気がする。
癒し系男子とはまさに神木さんみたいな人の事だろう。
「では、このままエレベーターで47階までお願いします。
1番奥が新條様のお部屋となっております、こちらは鍵になります」
「あ……ありがとうございます」
神木さんは私にカードタイプの鍵を渡すと恭しく頭を下げながら私を見送ってくれる。
エレベーターの扉が閉まり私はまた1人になってしまった。
「ご……52階建てのマンション……。
最上階はどんな人が住んでいるんだろう……」
よくお金持ち程上の階に住むと言うけど……。
そう考えると47階って相当だよね、女の人に買って貰ったって言っていたけど……。
新條さんは一体どんな生活をしているのだろうか。
って言うか、何処でそんなお金持ちの女性と知り合うのだろうか。
次々と浮かぶ疑問の答えは考えても分かるはずがない。
そうこうしているうちに着いたみたいだ。
“様”を付けられる覚えはないがそれは間違えなく私の名前だった。
『はい』と弱々しく答えれば満面な笑みを返される。
そして、私を促す様にマンションの中へと入れてくれた。
どうやらこの人はマンションのフロントの責任者の人らしい。
新條さんに私を案内するように頼まれていたそうだ。
私にとっては救世主だ。
ジーンと感動をしていれば男の人、神木(かみき)さんはクスリと笑みを零した。
「桜木様は面白い方ですね」
「え?」
「マンションの玄関であんなに真っ青な顔をされる方は初めてでしたので」
「み……見てたんですか!?」
見てたならもっと早く助けてくれても良かったのに……。
助けて貰ったからあまり強くは言えないけど、心の中で文句を言っていれば神木さんは『すみません』と笑いながら言う。
柔らかい雰囲気で憎めない感じの人だ。
「可愛らしくてつい見入ってしまって……」
「か……可愛いって……」
「純粋な方なんですね。
お顔が紅く染まっていますよ」
面白そうにクスクスと笑う神木さんを見ると心が安らいでいく気がする。
癒し系男子とはまさに神木さんみたいな人の事だろう。
「では、このままエレベーターで47階までお願いします。
1番奥が新條様のお部屋となっております、こちらは鍵になります」
「あ……ありがとうございます」
神木さんは私にカードタイプの鍵を渡すと恭しく頭を下げながら私を見送ってくれる。
エレベーターの扉が閉まり私はまた1人になってしまった。
「ご……52階建てのマンション……。
最上階はどんな人が住んでいるんだろう……」
よくお金持ち程上の階に住むと言うけど……。
そう考えると47階って相当だよね、女の人に買って貰ったって言っていたけど……。
新條さんは一体どんな生活をしているのだろうか。
って言うか、何処でそんなお金持ちの女性と知り合うのだろうか。
次々と浮かぶ疑問の答えは考えても分かるはずがない。
そうこうしているうちに着いたみたいだ。