「ほら、カルーアミルク」
「ありがとうございます」
高梨部長からグラスを受け取り口へと運ぶ。
口いっぱいに甘さが広まり幸せな気分に包まれる。
「美味いか?」
「はい!」
「よかった。
それより、知り合いでもいたのか?」
「え?」
「向こうの方をじーっと見ていただろう?」
高梨部長はそう言いながら私が見ていた方に顔を向ける。
「知り合いじゃ……」
「あ……あの男の人……」
私の声と高梨部長の声が被ってしまう。
2人で顔を見合わせ笑いあいながら視線を戻す。
「知っているんですか?あの人」
「いや、面識はないよ。
ただ友人に写真を見せられてな」
タメ息混じりにそう言うと、高梨部長はスマホを取り出し操作をすると画面を私に見せてくれる。
そこには写真が表示されていた。
隠し撮りなのか横顔だったが、黒い髪と爽やかな笑顔は間違いなくあの人と同一人物だった。
「出版社に勤めている友人がいてな、そこにこの人が小説を持ち込んだらしい」
「しょ……小説……。
って事は小説家なんですか?」
思わぬ所で出てきた単語に僅かながらも動揺してしまう。
「ありがとうございます」
高梨部長からグラスを受け取り口へと運ぶ。
口いっぱいに甘さが広まり幸せな気分に包まれる。
「美味いか?」
「はい!」
「よかった。
それより、知り合いでもいたのか?」
「え?」
「向こうの方をじーっと見ていただろう?」
高梨部長はそう言いながら私が見ていた方に顔を向ける。
「知り合いじゃ……」
「あ……あの男の人……」
私の声と高梨部長の声が被ってしまう。
2人で顔を見合わせ笑いあいながら視線を戻す。
「知っているんですか?あの人」
「いや、面識はないよ。
ただ友人に写真を見せられてな」
タメ息混じりにそう言うと、高梨部長はスマホを取り出し操作をすると画面を私に見せてくれる。
そこには写真が表示されていた。
隠し撮りなのか横顔だったが、黒い髪と爽やかな笑顔は間違いなくあの人と同一人物だった。
「出版社に勤めている友人がいてな、そこにこの人が小説を持ち込んだらしい」
「しょ……小説……。
って事は小説家なんですか?」
思わぬ所で出てきた単語に僅かながらも動揺してしまう。

