「………はい」 さくらもそれに小さくうなずいて、そのまま荷物を持って教室を出ていった。 気がつけば誰もいない教室。 そんな状況の中、ため息が出そうになるのをなんとか堪える。 何やってんだよ俺は。 社会人にもなって、女子高生一人にこんなに気持ち乱されて。 自分の気持ちが自分でもよくわかんねー。 近くの机に腰を下ろして、片手で顔を覆う。 「かっこつけてるとこ悪いけど」