裕翔side まさかさくらがここにいるとは思わなかった。 しかも、戸山 大貴と一緒に。 結衣の買い物に付き合わされた俺は、近くのショッピングモールに結衣と来ていた。 さんざん買い物を待たされ、荷物を持たされた挙句に、結衣が映画を観ようと言い出した。 結衣のことだから、買い物だけで終わるわけがない。 だから映画を観ようと言われたのは想定内だったはずが。 二人で映画館に向けて歩き出したその先に、さくらがいるなんてことは想定外だった。 目の前にいるさくらは、未だに俺を呆然と見つめている。