戸山くんの後ろに、一瞬だけ見覚えのある顔が見えた。 大好きな、大好きなあの人の顔。 そして、その隣に………… さっきから、私の視線が自分を通り越していることに気がついた戸山くんが、 怪訝そうに後ろを振り返る。 「あっ」 自分の後ろにいた人物に気づいて戸山くんが思わず声を出すと、 その人が、戸山くんとその後ろにいた私に気づいた。 「なん………で…………?」