「あ、それ!」 思わず先生の手を指差すと、先生はまた笑った。 「やっぱこれお前のだよな?このイスの間に落ちてたから拾っといたんだよ」 「あ、そーなんですか。ありがとうございます」 当然渡してくれるものだと思って、私は先生の手から鍵を取ろうとした。 ところが、先生はクイッと自分の方に鍵を引き寄せた。 「え?」 私が不思議に思ってると……… 「大橋 さくら」 突然、先生に名前を呼ばれた。