「いらなかったら消して。 だけど……………今日みたいに、なんか相談したいことあったらいつでも連絡してよ」 「え、あの………」 「じゃあ、俺戻るから」 戸山くんはそう言うと、小さく片手をあげて足早に階段を降りていった。 残されたのは、携帯に入っている戸山くんのアドレス。 どうすればいいんだろう。 いつの間にか、頭の中は吉澤先生ではなく戸山くんのことでいっぱいになっていた。