「……わかった」 その言葉を聞き、さくらは何も言わずに保健室を出て行った。 本来ならいけないのかもしれない。 教師と生徒が二人きりで後夜祭の花火を見るなんて、傍から見れば誤解されかねない。 だけど、それでも俺は行かなければならない。 もしもさくらが「そのこと」を言おうとしているのなら、 俺もいい加減、自分の気持ちに区切りをつけなければならないことはわかっていた。 自分のためにも、さくらのためにも。