さくらの花が舞う頃に





「ったく、しょーがねーな」



なかなか貼れないさくらに痺れを切らした俺は、

結衣との約束も忘れてさくらの手から絆創膏を奪い取った。



絆創膏を伸ばしてさくらの膝小僧に貼る。
 


そのときにさくらの脚に俺の手が一瞬触れた。



「あ、わり」



さくらの顔が少し赤いような気がするのはたぶん俺の気のせいだ。



「あ、ありがとうございます」



「ん」



今度こそ保健室を出ようと立ち上がったそのときだった。



「あ、あの!」