「用がないなら帰って」



先生はそのまま準備室を出て行こうとした。



「待ってください!用事ならあります!」



思いのほか大きな声が出てしまった。



吉澤先生が立ち止まる。



「今日のテスト、すごく解けたんです!

夏休みの補習で先生が教えてくれたおかげだと思います。

ありがとうございました!」



早口で先生に言う。



だって、そうでもしないと先生が準備室から出て行ってしまうような気がしたから。