「嫌です」



はっきりと即答されてしまった。



なんなんだよ。



そんなにはっきり言わなくてもいいじゃん。



「もういいですか?

帰ります、ありがとうございました」



さくらが棒読みでお礼を言って、教室の入り口へ向かう。




は?




まじでこいつ帰んの?



俺と二人きりが嫌っていう理由だけで?






…………むかつく。




俺は大股でさくらのもとに歩み寄り、バンッとさくらの後ろの壁に手をついた。



ぐっと俺とさくらの距離が縮まる。



さくらが驚いたように俺を見た。