「なに?梓紗ってばナンパされたの?」



「朱里だ!そーなんだよ、電車では痴漢にあったんだから!!」


「あっ、ちょ、声でか!!」


と言われ、頭をコツんと叩かれる。



周りを見れば、苦笑いをしながらこちらを見ている人数名。



お恥ずかしい…。



「あのね!」


「その話は、学校着いてからね」


「えぇぇぇぇぇ」


やべ、文句言っちゃった!



朱里に文句言うと、すーぐ拗ねるから…。


「文句あるなら、もう二度と一緒に行ってあげないから」


えぇ!!


「わ、分かったよ!ごめんね!!」


「うん、分かったならいい。エラいぞ」



そう言って、朱里は私の頭をそっと撫でる。



“朱里”と言うのは、親友で私の幼なじみでもある…



杉咲 朱里 -akari sugisaki-



もう、わたしの姉のような存在。



「梓紗の事だから、駅を出たところで学校分からなかったんでしょ?」



「おぉ!良くおわかりで!!」