本当の、好き ~君を手放して初めて気づくなんて~

「萩原…萩原……!!」

目が覚めると、目の前にいる人に驚いた。

喋った事もない、あの噂の、藍沢柊斗だったから。


「え…なんであたし…ここに…?」

「萩原ごめん、俺がお前にパスしちまったせいで萩原、気失った。」

「それは、藍沢くんのせいじゃないよ。あたしが悪いの。」

あたしが自分の異変に気づいていながらも、試合に出たのが悪かったんだ。

「いや、俺なんとなく気づいてた。萩原がだるそうにしてたの。なのに俺、声もかけてやれなかったし、おまけにパスまでしちまった。。気づいた時にはもう遅くて、俺が―――」

「藍沢くんのせいじゃないよ。もう大丈夫だからあたしの事は気にしないで!」

あたしは柊斗がまだ話してるのにも関わらず、遮った。

だって、聞いてられなかったから。


心配させないように、笑って言った。

“相手に気持ちを伝える時は、笑いなさい”

お母さんにそう言われたのを思い出したの。



柊斗いわく、この時のあたしの笑顔は天使だった、らしい。

惚れてしまった、らしい。


その日から、柊斗の猛アタックが始まった。。