コント集「探偵と助手」

マスター「それより、はい、注文どうぞ。はいこれメニュー」

探偵「うわ、めっちゃ黄ばんでるし、字ィ、コピー、これ、消えかかってますやん」

マスター「コピー?これは亡き妻の直筆じゃ、創業昭和十年、、戦争もくぐり抜けた、由緒ある喫茶『ペンペン草』たぁ、うちのことやで」

探偵「もうちょい、マシな名前なかったんすか、コーヒー」

マスター「妻が好きだった草の名前じゃ」

探偵「変わってンな、あんたの奥さん」

マスター「ゼペットって呼んでくり」

探偵「日本人じゃないんですか」

マスター「そうです。でも鼻赤いでしょ?」

探偵「ゼペット、鼻赤かったか、、赤かったな、、赤かった赤かった、コーヒー」

マスター「コーヒー二つ」

探偵「ひとつ!」

マスター「え?」

探偵「あんた、返事しなかったからさぁ、このシーン、元ネタ、サザエさんだからね」

マスター「なに言ってンすか」

探偵「何でもないよ。いろいろあるんですよ。コーヒーひとつね」

マスター「あい分かりました」

探偵「それで尋ねたいのは、この写真の男」


探偵は、胸ポケットから写真を取り出し、マスターに見せた。

コポポポポポ、、


マスターが、カップに熱いコーヒーを注いで下さる。

あたたかい湯気が立ち上った。

マスター「え?」

探偵「聞いてよ」


マスターは、聞いちゃいなかった。
自慢のお手製クッキーを引っ張り出そうとした。