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「今年は、これで見納めか」
最初病院帰りに寄って以来、来てなかった海。
帰るにあたって、もう1度見に来た。
「頑張れば来年からは毎日見れるんだよね……」
口元が緩む。
ここが、全ての始まりだった。
いつも、勇気をくれたのはこの場所だった。
颯くんとの思い出が詰まりすぎて。
遠ざけていたこともあったけど。
大好きで、大切な場所。
心を動かすのは、いつもこの場所だった。
「……また来ます。絶対」
誰に言うでもなく、呟いた。
自分の気持ちをここまではっきり口にしたのは初めてで。
成長した自分が何だか誇らしくて。ちょっとくすぐったい。
熱い思いを胸に。
祖母の家まで戻ろうと、振り返った私は、懐かしい風景とともに見たものに、目を疑った。
胸が締めつけられて。喉の奥が痛くなって。目の奥が熱くなった。
階段を降りてきたのは……。


