「……はぁ。分かったわ」
1度ため息をついた母は、優しい声で言った。
「凛乃の好きなようにしなさい。その代わり、あとで文句は絶対言わないのよ。凛乃が自分で決めたことなんだから」
「母さん……!」
父の焦ったような声に。
「やらせてあげましょう。この子が、初めてやりたいことを話してくれたんだから」
とても優しい笑顔を見せる母。
「……そうだな……」
やれやれとでもいうように肩をすくめて笑う父の顔も、とても優しいもので。
「お母さん……!お父さん……!」
2人の気持ちが胸いっぱいに広がって、嬉しかった。
「……ありがとうございます」
声が震えた。
本当は少し不安だけど。
私には、心強い味方が2人もいてくれるから。
「精一杯頑張ります」
やってみせる。
困難だって乗り越えてみせる。
握りしめた手に力が入る。
わくわくして震えてる。
こんな気持ちになったのは初めて。
こんなにも強い気持ちで何かをやりたいと、初めて思えた。
この大好きな町が、私を少しずつ変えてくれる。


