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「おばあちゃんの容体もだいぶ良くなったし、そろそろ帰ろうと思うの」
この町に来てから数日たったある日。
夕食を食べ終え、リビングでくつろいでいると母がいきなり言った。
「凛乃は受験生だし。夏期講習だってあるでしょ」
祖母が倒れたと聞いたとき。
最初、母は1人でこちらに来るつもりだったらしい。
同じことを言って、私が一緒に行くことを少し渋っていた。
だけど、私も祖母が心配だったから。
父とともに母を説得して、一家でこちらにやって来た。
「……そのことなんだけど……」
ここに来てから、ずっと考えていたことがある。
「お父さんも、聞いて欲しい」
部屋を出ていこうとしていた父を呼びとめる。
向かいの椅子に並んで座る2人を前に、私は姿勢を正した。


