「…あのね。私も昔から体弱くて…

喘息とか、心臓に異常あって…
できないことがいっぱいあった」




「でも、柑菜ちゃん体育して…あれ?」



「うん。体育に参加はしてたの…

でも、ほとんど見学だったでしょ?」




「…ほんとだ……」



今思えば、柑菜ちゃん見学ばっかだった。


ずっとサボってるんだと思ってた…けど…





「でね、私それで…友達がいなかった」



「なんで?柑菜ちゃんの周りにはいつもいっぱい友達いるじゃん」



「あんなの、形だけ。みんな本当は私のこと嫌ってる。」





「そんな…」





「だから私ね、嫉妬してたの。翔琉先生とか、幸希くんみたいに、体が弱くても守ってくれる存在がいる蒼井さんに」



「………」




「だから…… いじめなんて…しちゃって」




「………」




「こんなの言い訳だってわかってる。

本当にごめんなさいっ!」





涙をぽろぽろ零しながら頭をさげる柑菜ちゃんを見て、本当にそう思ってくれてるんだなって思えた





「……ひどい」



「ごめんっ…ッ」




「隠してたなんて、ひどいよ。」



「グス……え?」




「言ってくれてありがとう。
ちゃんと理由言ってくれて。」




「……」



「許してあげる!でもね、その代わり」




「その代わり…?」




「私と友達になってください」






右手を差し出すとびっくりしたような表情をしながらまた泣き出した柑菜ちゃん