【超短編集】僕とあいつのメール

【彼の恋愛】

『恋人が欲しいなら、作ったらいい。そこに僕が邪魔なら、僕はお前と距離を置く』

『もういい』

『いいから聞け。…ただ単に漫画やドラマに描くような恋愛ができるなら、僕はそれでいいものだと思ってる。いつだって、そういう恋愛はハッピーエンドだ。
初めて付き合った相手と結婚できる。だけど、現実は違う。本気で好きになった人でも、相手がそうとは限らない。特に僕たちみたいな学生は身体目当てで付き合うような奴が大勢いる。そこにあるのは、自分さえよければいいという悪い心だ。僕はそんなもの、本当の『恋愛』なんて呼べないと思ってる』

『だからなによ』

『少なくとも、僕は『彼女』に対して誠実でありたい。好きな人だから絶対に大切にしたい。何があっても守りたい。そう思ってる。だけど、そこまで思っていても、僕にはまだ力がない。親に守ってもらわないと生きていけない。まだ、誰かを守っていけるだけの責任を持てない。だから、僕は『友達』以上の関係を持たないつもりだ』

『わかったわよ。もういい』

『いつか、僕に責任が持てるようになったのなら、その時初めて僕は誰かと付き合える権利を持てる。それが僕の信念だ』