【超短編集】僕とあいつのメール

【日焼け】

『おい。お前のせいで身体中日焼けしちゃったんだけど』

『あら。あの貧相な身体が焦げた所でどうでもいいのだけど?』

『誰が貧相だって?細マッチョの間違いだろ』

『細マッチョ?はい?』

『僕の完璧な腹筋に見惚れたくせに』

『六つに割れた腹筋なんて見てないし』

『勝手に僕の腹筋の数を数えてんじゃねぇ』

『あ…。そういえばあたしも色々焼けちゃったんだけど?誰かさんのせいで』

『日焼け止めを僕に塗れっていう方が間違っているだろ』

『女の子に触れるチャンスだったんだよ?』

『他の子を触りまくるから別にいいし』

『童貞の分際でなにをいうか』

『処女が粋がってんじゃねーよ』

『もうお風呂行ってくるからバロス』

『バルスだろ』

………

『肌が…肌がぁ〜…』

『どうしたムスカ』

『ヒリヒリする…ヤバい』

『お前の家にアロエ軟膏あっただろ。それ塗っとけ』

『わかった』

『あ…僕も風呂に入らねば』

『地獄だよ』

『大丈夫だ。15℃程度の水で流してから入ればいいだけだから』

『貴様しっていたなら先に言えや』

『さっき調べたんだよ!』