全てをくれたあなたに


冷えるといけないから、と夏希が掛けてくれたカーディガンに腕を通す。




その様子を見ながら、それにしても・・・と夏希が口を開いた。





「真白ちゃんの髪の毛、随分と長いわね。
長さの割には痛みが無いし、黒くて真っ直ぐでとても綺麗なんだけれど、このままだと生活するのに不便よね。」





私の髪の毛をひと房掬ってくるくると指に巻き付ける。





『そう言えば、髪の毛について考えたことなんて無かった。』





夏希の言葉にはっとして言うと、





「そうなの?手入れもしていないのにこんなに綺麗な髪の毛、羨ましいわ。」





私もこんな髪の毛欲しいっ!と天井に向かって叫んだ。





「でも流石にこの長さは短くした方がいいわ。龍二に相談して切ってもらいましょう?」




『うん。どれくらいがいいかな?』





「そうねぇ・・・真白ちゃん可愛いからどんな髪型も似合いそうだけど、やっぱり長い方が似合うわね。」





そんな話をしていると、コンコン、とドアがノックされた。





「あら、もう一時間も経ったのね。
龍二、入っていいわ。」