全てをくれたあなたに


『・・・娘?』




「ええ、そうよ?
だから遠慮せず頼ってきなさい?」





そう言って優しく微笑む龍二母。





「全く、俺を置いて話を進めないでくれるか、夏希。」





苦笑いしながらこちらへ歩み寄ってくるのは龍二のお父さん。





「真白ちゃん、悪いが龍二から大体の事情は聞いた。龍二から家の事は聞いていると思うが、うちの組員はみんないい奴らだ。
ゆっくりでもいいから、怖がらずに接してやってくれ。」





私の前に腰を下ろして言う。





「夏希のせいで少し遅れたが自己紹介をするとしようか。
俺の名前は榊仁(じん)。龍二の父親であり、この榊組の9代目組長だ。
そして、俺の妻兼、龍二の母親の夏希だ。
夏希が先程も言ったとおり、俺達の事は家族と思っていい。」





もちろん敬語は無しだ。そう言って手を差し伸べてきた仁。





私はその大きな手をそっと掴んだ。





『よろしくお願いします、仁さん、夏希さん・・・』





慣れない事にぎこちなくなってしまう。





しかし、私の言葉に仁と夏希は嬉しそうに目を細めた。