すると急に部屋の中が暗くなった。
顔を上げると男が窓のそばまで寄っていて、部屋の中をのぞき込んでいた。
コンコン、と窓がノックされ、何かと思い立ち上がる。
ジャラ・・・と重い鎖の音が鳴り、私が立ち上がったことで見えた私の全身を見て男は眉間に深いシワを寄せた。
そして何かを言うように口を動かしているが、こちらには何も聞こえない。
分からない、というように首を傾げてみせると、男はゆっくりと口を動かし始めた。
が、何とか読み取ろうとしているとドアの向こうから2、3人の足音が聞こえてきた。
彼らはいつもこの部屋に来る。
このままでは男の事を巻き込んでしまうと思い、首を振って腕で逃げろと促す。
直後、ドアの鍵が回されるガチャガチャという音が響いた。
