むくり、と起き上がった男は少し長めの黒髪で、きっと龍二よりも背が高い。
「はぁ、やっと起きたわ〜。
冬樹、俺らから紹介したい人と、龍二から話がある。」
「む、話?」
「あぁ、先ずは紹介からだな、真白。」
『初めまして、斎藤真白と言います。
この子はルナです。寝ていた所を起こしてしまってすみません。』
「真白は訳あって榊の屋敷に住んでいる。
そして本題だが、真白を鳳凰の姫にしようと思っている。
お前らも見て分かると思うが、邪気が無く、他の女とは全く違う。
それに組も族も恐れることなく受け入れてくれた。
異論があれば言ってくれ。」
珍しく良く話す龍二。
そして男の人は私に目を向けお互いに見つめ合う。
しばらくの沈黙の後、男の人が口を開いた。
「俺は、構わない。白も黒も気に入った。」
「真白とルナだけどな〜」
よくわからない呼び名にゆるく突っ込む銀司。
「俺は東条冬樹(ふゆき)。
よろしく、白、黒。」
『冬樹さん、よろしくお願いします。』
