全てをくれたあなたに


『龍二、銀司は?』





「後で真白を鳳凰の奴らに紹介するために集めに行かせた。
銀司も俺らと同じクラスだからいつでも会える。」





話しながら歩いていると、2-Aのプレートが見えてきた。





「よぉ、龍二。その子だな?」





「あぁ。真白、担任だ。」




『おはようございます、斎藤真白です。
それで、この子が黒猫のルナです。』





「黒猫・・・?
まぁいい、俺は近藤一哉だ。
もうすぐHRだから龍二は中に入ってろ。
斎藤、俺が呼んだら中に入ってこい。」






そう言うとタイミングよくチャイムが鳴り、一哉が教室に入って行った。






――HR始めんぞー。今日は転入生がいる。




一哉の声がすると、騒がしかった教室は静まり、転入生という言葉に再びざわめく。




――斎藤、入ってこい。





『ルナ、行くよ。』





座っていたルナに声をかけて教室のドアを開ける。





「えぇー女ぁ?」




「やっべぇ、めっちゃ可愛い!」




「てかなんか幼くね?」







私を見てそれぞれのコメントをするが、私の後に入ってきたルナを見ると一瞬で凍り付いた。