全てをくれたあなたに


――いやああああ!



――なんで一緒に来てんの!?



――くっついてないで離れなさいよ!





龍二や銀司の時とは違い、校門は私を否定する言葉で溢れた。





「俺らがいる、気にするな真白。」





『うん。・・・ルナ。』





龍二の言葉にほっと息をつき、まだ中にいるルナを呼ぶ。




そしてルナが車から軽やかに降りた瞬間。






シーン・・・と先程まで騒がしかった生徒は言葉を失ったように静まり返り、やがて後ずさりを始めた。





「ははっ、この変わりよう!
ルナもつえぇけど、俺らに媚び売ってヒョウに怯えるって何なんだよ~」





「銀司、ルナは黒猫だ。
真白の夢を壊すんじゃねぇ。」





「へいへい、さ〜て行きますか〜」





銀司が歩き出したことにより私達も校内へ入った。





「・・・先ずは理事長室だな。」





転入初日の為理事長に挨拶に行かなければならないらしく、銀司の後を龍二と付いて行った。