全てをくれたあなたに


テンションの高い夏希に若干引きながら洗面所で顔を洗った。




適当に服を選んで着て、夏希に髪の毛を溶かしてもらっていると龍二が入ってきた。




「真白、行くぞ。」





『うん。』





「ちょっと私のこと無視しないでよ!」





夏希がそう叫ぶも、ルナまでもが素通りしたため、かなり落ち込んでしまった。





『なっちゃん、ご飯行こう?』





流石にかわいそうに思って声をかけると、先程の落ち込みが嘘のように元気になり、






「私の見方は真白ちゃんだけだよー!!」






と叫んで私に突進してくる始末だった。





その後は夏希に潰されかけた私を龍二が助け出し、ご飯を食べて玄関に向かった。






「それじゃあ行ってくるね!」






『行ってきます。』





「ああ。真白、楽しみにしとく。」





『ふふ、うん。』





「「「行ってらっしゃいやし!!」」」