全てをくれたあなたに


一瞬で緊迫した空気になった中、ドアを開けた人物はドドドドド、という音がつくほどの勢いでこちらに来ると、





「邪魔よ、龍二!
盛ってないで退きなさいっ!」





龍二をべりっと剥がして蹴り飛ばした。






あれ?この声・・・






「・・・なっちゃん、おはよ?」





「おはよう、真白ちゃん!
早くご飯食べて髪の毛切りに行こう!」





何故かいつもより元気な夏希。




そんな夏希の後ろで、黒いオーラを纏った龍二が起き上がった。





「ってぇよ、もっと静かに入れねぇのか。」





「だって楽しみで仕方がなかっだもの。」






龍二の睨みにも動じず、るんるんとそう言う夏希。





「はぁ。真白、準備しとけ。」






着替えてくる、と言って龍二は部屋に戻っていった。






『私も準備するね。』





「うん、待ってるね!」