「あ、でもやっぱり空いてました。」 けど、その苦しさは田野の言葉でなくなった。 「え、本当?」 「は、はい。」 嬉しいと思ってる私は絶対おかしい。 丸い眼鏡越しに鋭い目が見えてドキッとする。 と、次の瞬間。 「その格好…良くできました。」 田野は席を立って、私の耳元にそうささやいた。 そして教室を出ていく。 体温が上昇していくのが嫌でも分かった。