70億いる人間の中で、
俺だけが特別だなんていえるだろうか。
70億分の1の奇跡が
彼女の16年目で起きると
いえるだろうか。

もしこの答えがNoなら、
境本の自分への殺意はどこに
いくのだろうか。

境本と俺の恋は
それぞれ人生に一度きりの
特別なものでないといけない。
もし境本に恋が二度も三度も
訪れてしまうというなら、
境本の人間みんな大嫌いは
成り立たないかもしれない。

今まで自分を傷つけてきた
殺意が消えてしまったら、
境本の美しい星は
消えてしまうのだろうか。

彼女の傷痕から意味が
消えてしまったら、
それでも境本は

俺を好きと言ってくれるだろうか。