「栄養ドリンクより薬を採用しろよ」

「君が私の鞄から水筒をとってきてくれていたらその意見を採用していたよ」

そう言って境本は体を起こして、
本棚に寄りかかる。

「あーあ、苦しそうだとは思うけれど、このまま本に埋もれて圧死したい。いますぐ地震来い」

「地震来たら助けないでおいてやるから、仕舞う途中だった本を寄越せ」

「…どうもありがとう松本。もう帰ってもいいかな」

「役立たずは早く帰って安静にしてろ」

「うん、役に立つ私は仕事をしようかな」

あまのじゃくなのかなんなのか
境本はたちあがって
返却図書を数冊抱えた。

「大丈夫か」

「もう問題ない」