足から力が抜けていく。
松本の肩に手をついて
ずるずるとしゃがみこんだ。
そしてワイシャツを脱ぎ捨てる。

左腕が一番酷い。
表面が凸凹と波打ってしまって
もう肌色じゃない。
毛細血管がすけてみえるピンク。

松本が嬉しそう。

私の左手と恋人繋ぎにしてみせて
自分の方へ腕を近づける。
そこをなんども
指先で往復して私の穢いところを
愛しげに嘗める。
生暖かい柔らかな舌が
塞がりかけの傷や
塞がった新しい皮膚の上を歩く。

「境本、境本?どうして泣いてるの」

「嫌い、だよ。松本のこと嫌いっ」

「それは悲しいなぁ…」

「…どうしてこんなことするの?気持ち悪いよ、私なんて。」