『忍姫恋絵巻』



ヒュオオオオオオ


冷たい冷気を纏う風が、あたしに巻き付くように吹き荒れる。


「凍てつく精錬の造形……氷牙!!」



その声と共に、あたしの纏う風が、凍りつき、氷の牙が刺客へと飛んでいった。



「………うがぁっ…!!」

「ぎゃぁーっ!!」


相手の忍は氷の牙に貫かれている。


周りの人間は、あたしを恐れた目で見ていた。


「最高位上級忍術(さいこうい じょうきゅうにんじゅつ)か。一部の忍者にしか使えない、属性に関与する術式…」


赤は串刺しの忍を眺めながら呟く。


「危なっかしい姫さんだな」

赤はあたしを見つめた。


「家光の所へ行かなくちゃ!!」


今ごろ、あの宝庫に閉じ込められた時みたいに、泣いてるかもしれない。


そう思ったら、いてもたってもいられなかった。


あたしは、周りには目もくれず、家光を探しに走り出した。