『忍姫恋絵巻』



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「才氷、才氷!!」

「んっ……?」


何度も名前を呼ばれ、あたしはそっと目を開けた。
すると……。


「才氷!目が覚めたのか!!」

「赤……」


あたしを抱き抱える赤と目が合った。そして、赤が、泣いている事に気づく。


「馬鹿野郎!!あんな風に俺を守ろうとして!!文句は山ほどあるけど、今はっ……」


そういえば、あたし赤を落としたんだった。
やっぱり、怒ってるよね、一人で戦ったりして。



「生きててくれて、良かった。お前を失ったかと、思った…」


「赤……あたしも、もうダメかと思った…」


でも、在政様があたしを導いてくれた。
そして、赤がこの世界にあたしを繋ぎ止めてくれた。


「あたし、……赤と生きていっても……いい?」


もし、あたしが自由というのなら、あたしは迷わず赤の傍にいる事を選ぶ。


「当たり前だ、やっと手にいれた……お前を。愛してる、才氷」


赤はそっとあたしに口づける。
その温かさに、涙が流れた。


「あたしも……赤を愛してる」


お互いにボロボロだったけれど、あたし達はそれを感じないほどに、満たされていた。