「ほう、そのような一方的な提案に俺が乗ると思うか」
「乗らなければどうなるか、分からないわけではありませんよね?」
こちらも負けじと信秋を見据えた。
「ほう、ならば俺から提案がある」
「……提案?」
……驚いた。
てっきり、「そんな提案のめるか」って、逆上すると思ってたのに…。
内心、不安になりながらも平然を取り繕う。
「徳川の3代将軍、家光よ。俺と一対一の勝負をしようではないか」
そう言って信秋は立ち上がり、刀の鞘に手をかける。
信秋は、家光が戦えないのを知ってて提案してる。
そして、断れば戦えない徳川に下るなんて出来ないとでも言うつもりだろう。理由はいくらでも作れる。
まぁ、それは本物の家光であって、あたしじゃない。
「分かりました」
あたしは静かにそう告げて、立ち上がる。
そして、赤に手を差し出す。


