「もちろんです、家光」
心から、家光に笑顔を向けられた。
やっと、家光の為に何かしたいという心を抑えずにいられる。
「皆も聞いて下さい!!」
家光は兵や忍び達の前で、声を上げる。
皆が、年若い娘に視線を向けた。
「私たちが目指すは、大切な人を失い、自由を失い、生きる事さえ諦めてしまうような、悲しい世界の連鎖を無くすこと!!」
悲しみの連鎖を無くす……。
家光の言葉が、頭のなかでぐるぐると回る。
悲しみのない世界。
在政様も望んでいた、誰もが人を思いやり、自由である世界。
「私と共にそんな世界を作りましょう!!力を合わせて、今こそ立ち上がるのです!!」
凛々しいその姿に、あたしは目を奪われた。
家光には、まだこんな一面もあったんだ。
家光は、これから徳川を引っ張るに相応しい。
刀を使えなくても、戦い方はそれぞれだ。
家光にあるのは、将としての素質。
「徳川の将軍についてゆこう」
「きっと、優しい世界になろうぞ!!」
「家光様ー!!」
誰もが、心を奪われるような光をもってる。