『忍姫恋絵巻』



「なるほど、春日局様は俺達の先の先まで読んでらっしゃるようで」


赤はお手上げと言わんばかりに両手を上げた。


「では、我等桜牙門の兵もお連れ下さい」

「あなたは……?」


春日局様の前に出たのは、小次郎殿だった。


「桜牙門の参謀役、清田 小次郎にございます」

「清田 小次郎……優秀な頭脳をお持ちのあなたのことは存じています」


春日局様は少し驚いたように小次郎殿を見た。



「春日局、ぜひとも力を借りましょう。小次郎殿、どうか徳川と共に、桜牙門の代表として、共に戦って下さい」


家光は立ち上がり、小次郎殿に手を差し出す。


「我々を、まだ桜牙門の民として扱って下さるとはっ…」

「えっ、小次郎殿!?」


涙を流す小次郎殿に、家光があたふたしている。


やっぱり、家光はすごい。
その一言で、その笑顔で、周りの人を照らす。



家光のような人こそ、この日の本を治めるのにふさわしい。