「才氷様、ご無事で!?」
遠くから、小次郎殿がかけ寄ってくる。
いつの間にか、夜が明け、朝焼けが照らしている。
「皆こそ無事!?ごめん、こんなに早く見つかるなんて…」
結果、皆を巻き込む事になってしまった。
もっとうまく立ち回れたはずなのに…。
「我らは無事です。それどころか、突然霧のように姿を消してしまったのです」
「霧のように??」
六幻が消えたのと同時だとしたら、彼等もまた幻影なのかもしれない。
「どうする、才氷。これじゃあ、桜牙門の民もここに残っているほうが危険だぞ」
確かに…赤の言う通りだ。
ただ、彼等を連れて動くとなると、険しい山道や森は通れない。
「どうすれば……」
「な、なんだアレは!?」
頭を悩ませていると、誰かの驚いた声が聞こえた。
顔を上げると、そこには大勢の徳川の軍勢がいる。
「おいおい、まさかお迎えか?」
「あれ、徳川の家紋だよね?不安になってきた……」
二人でなびく徳川の旗に苦笑いを浮かべた。


