『忍姫恋絵巻』




一人では危ないっていう事がわかっていない。
危なっかしくて、目が話せない姫様だよ、本当に。


「仕方ない」


小さく息を吸って、首からかけた笛に口をつける。


ピューーーッ


そして、口笛を吹くと、バサバサッと羽音がどかからか聞こえてきた。


バサッ


すると、一羽のフクロウがホウホウと鳴きながら、あたしの肩に止まる。


「雷鳴(ライナ)」


白く美しい羽に、金の瞳の彼女はフクロウの雷鳴。
里で一緒に育ったフクロウで、あたしにとっての家族だ。



「家光様はを探して」


あたしの声に反応して、ホウホウと羽をばたつかせる。
そして、バサッと空へと羽ばたいた。


ホーウッ


すると、宝庫の上をクルクルと回り出す。



「宝庫にいるの?」


やっぱり、あの中で何してるんだろう。



ホーウ、ホーウッ



まるで返事をするように雷鳴が鳴く。



「なんでまたそんな所に…」


あたしはため息をついて、宝庫へ向かった。