『忍姫恋絵巻』



「どこの忍びだ、お前」

「ックク、さぁ……?」


赤の言葉に、またもや不気味な笑みを浮かべる。


こいつ、随分と余裕がある。
それに、こんなにヘラヘラしてるけど、全然隙がない。


「あの方は、お前の絶望した顔をご所望でなぁ…」


男は、ゆっくりとあたしへ歩み寄る。


あの方??


あたしの絶望した顔がみたいだなんて、そんな馬鹿な事言う奴は一人しか思い浮かばない。


「織田…信秋……」

「知っていたか!!あの方は言っておったぞー?お前のその絶望する瞳、鬼へと変わる憎悪の表情に、そそられるのだとな!」


声を上げる男に、鳥肌が経った。


そろいもそろって、頭おかしい。



「お前の絶望は、何か……」


ギョロッ


すると、潰れた方の目が、あたしを見た。


「なっ!!」


何!?
今、あの目とあたしは目があってる!?


何だろう、この体の奥底から沸き上がる悪寒は…。