『忍姫恋絵巻』




「うん。これで、また皆が集まって、あの場所に帰れたらって、想像するだけで胸がいっぱいになる…」



あの桜舞う場所へ、いつか帰れるのなら…。


「俺、桜牙門には行った事はないんだけど、桜の名所だったってのは知ってる。今度は俺も、そんな景色を見てみてーな」


「うん。きっと、赤も気に入るよ」


誰もが目を奪われるだろう桃色の風。
そこに、在政様がいたら……。


「在政様………」


あなたがいたら、どんなに良かっただろう。
あなたにこそ、桜牙門の桜はふさわしい。


あの空の向こうにいるのなら、どうか見ていて下さい。


あたしは、夜空を見上げた。



「才氷……」


フワッ


赤の気配が近づいたと思ったら、そのまま抱き締められた。