『忍姫恋絵巻』



「いや、まだまだ知らない事もあるんだなと思ってな」

「そう?あたしだって、まだ赤の事全然知れてないと思う」


自分の力で里を焼いてしまった過去も、つい先日知ったばかりだ。


あたし達は、お互いに知らない事ばかり。


「これから知っていけばいいだけだろ」

「そうだね」


あたし達は顔を見合わせて笑う。


知らない事は、知っていけばいい。


歩み寄っていけば、相手を思い続けていれば、いつの間にか一番の理解者になれる。


「桜牙門の民とまた会えて良かったな」

「え……?」

「嬉しそうな顔してる」


なぜか、赤まで嬉しそうに笑うのは何でだろう。
それでも、一緒に喜んでくれるのはあたしも嬉しい。