今日は桜牙門の民達が是非にと宴を開いてくれる事になった為、一晩留まり、出立は早朝になった。
夜になり、月の光が照らす中、あたしは、切り株に腰掛け、左手にとまる雷鳴に声をかける。
雷鳴は、無事に八雲の里の女達を徳川へ送り、あたしの元へと帰ってきた。
疲れてるとは思うけど、もう一頑張りしてもらわなきゃ。
「お願いね、雷鳴」
ホウホウッ
雷鳴に家光宛ての文を持たせて、飛ばす。
それを見送っていると、誰かの土を踏む音が聞こえた。
「状況報告か?」
そこには、飛んでいった雷鳴を見上げる赤がいた。
「うん。とりあえず、桜牙門の総意と、あたし達の到着日の報告をね」
「そうか……」
すると、赤はあたしの隣に腰かけた。
自然と、2人で月を見上げる。


