『忍姫恋絵巻』



そして、その日の夜、あたし達は八雲の里についたのだが、そこはすでに火の海だった。


バチバチッ


火花が爆ぜる音が、いやに耳につく。
息をするのも苦しい程の熱風が吹き付けてくる。


「才氷様!後ろ!!」

「っ!!」


ガキーンッ!!


立ち尽くしていたあたしの不意を狙って、織田の兵があたしに斬りかかってきた。


それを懐刀で弾いて、咄嗟に距離をとる。


「ここで足止めされるわけにはいかないのに!!」


ぞろぞろと現れる織田の兵達を前に、あたしと石川の忍びは動けなくなっていた。



キンッ、ガキーンッ!!


「っ!!」


こいつら、普通の兵じゃない……?

あたし達忍びの動きについてきてるし、刀の一つ一つの攻撃が重い!!


キンッ、ガキーンッ!!


「才氷様!」


刀で応戦しながら、石川の忍があたしに話しかけてくる。


「ここは、我等に任せて行ってください!」


「っ!そんな、あなた達だけじゃ、人数的に不利だよ!それに、こいつらは、薬を使った兵かもしれない!」


だとしたら、数十人しかいない石川の忍び達は、こいつらに殺られてしまう。