「遠ざけられても、才氷を追ってくるかもしれねーぞ」
「傍にはいれない。傍に、いたくても……」
会いたいって、かんざしを抱き締めたり、同じ月を見てるかもって、月を見上げたり…。
心は引きずったままでも…。
「これだけは、変わらない決意なの」
そう、決めてあたしは一人になったんだから。
「そうかよ…。まぁ、俺等はお前がこっちに来てくれて、助かってるけどな」
そう言って、五右衛門は明るくそう言った。
「せいぜい、働いてくれよ」
「言われなくても」
そう言って手をヒラヒラと上げて室内に戻っていく五右衛門の背中を見つめる。
もしかして、五右衛門はわざと明るく言ってくれたのかもしれない。
それに、ここにきたのも、あたしを心配してくれた??
真意は分からないけど、いつのまにか、心が軽くなっている事に気づいた。
そうだ、今は八雲の里をなんとかする事だけを考えよう。
そう改めて決心したのだった。


