『忍姫恋絵巻』



「あたしにも、こんな風に笑い合える人がいたんだけど、もう、きっとあの場所には帰れないんだろうな…」


酷い、別れかたをしてきた。
守るためとはいえ、赤に氷術まで使って…。


「一度、心を許した方です。簡単に、その繋がりが切れることは、無いと私は思います」


「そう…なのかな……?」


そうだといいな。
また、あの場所に帰れたら…なんてね。


ああ、駄目だ。
また色々考えてる。
少し、外の風にでも当たった方が良さそう。


「少し、外の風に当たってくる」

「はい。体を冷やさないようにしてくださいね」


立ち上がったあたしに、伊津菜さんは羽織りを渡してくれた。


「ありがとう、伊津菜さん」


その羽織りを肩にかけて、あたしはそっと宴の席を立った。